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特許権存続期間延長対象に先端バイオ医薬品を追加する特許法改正法案検討中

 特許庁は、特許権存続期間延長の対象となる発明に、先端再生バイオ法により許可を受けた先端バイオ医薬品を追加する特許法改正法案を検討しています。

1.現行特許法の問題点
 現行特許法上、医薬品特許において許可等による特許権存続期間延長の対象は、薬事法により品目許可を受けた医薬品及び麻薬類管理法による麻薬又は抗精神病性医薬品に限定されています。
 しかしながら、2020年9月に先端再生バイオ法が薬事法から分離されて施行されるとともに、薬事法ではなく先端再生バイオ法により許可を受けた細胞治療剤、遺伝子治療剤及び組織工学製剤などを含む先端バイオ医薬品が、現在の特許法体系下では特許権存続期間延長の対象にならないという問題点が生じました。
 先端再生バイオ法の施行以前に薬事法により許可を受けたバイオ医薬品は特許権存続期間延長の対象であったことを考慮致しますと、これは単純な立法的な誤りと思われます。

2.特許法改正法案の検討
 特許庁は、特許存続期間延長の対象となる発明に、先端再生バイオ法により許可を受けた先端バイオ医薬品を追加する特許法改正法案を検討しています。この改正法案に対してはオリジナルとジェネリック製薬会社の立場の違いがあまりありませんので、特に問題なく法改正が進められるという見通しが優勢です。

3.コメント
 現在先端バイオ医薬品として許可された医薬品はキムリアなど全部で18品です。国内外製薬会社の先端バイオ医薬品の許可が相次いでいることから、法改正により立法不備による混乱は解消するものと期待されます。

[情報元]
 Lee International IP & LAW Group Newsletter Winter 2022「特許存続期間延長対象に先端バイオ医薬品を追加する特許法改正案検討中」

[担当]深見特許事務所 赤木 信行