ドイツによる欧州統一特許裁判所(UPC)協定の批准書寄託により、 UPC協定の発効日およびサンライズ期間の開始日が確定しました
弊所ホームページの「国・地域別IP情報(欧州)」の2022年12月6日付配信記事「欧州統一特許裁判所(UPC)は、サンライズ期間の開始およびUPC協定の発効が2ヶ月延期されることを発表しました」において、UPC協定発効に向けたタイムスケジュールが2ヶ月延期されたことを報告いたしました。
この度、2023年2月17日付けでドイツによるUPC協定批准書の欧州委員会への寄託が完了したことで、UPC協定の発効日およびサンライズ期間の開始日が、2ヶ月延期されていた予定日のとおりに確定いたしましたので、取り急ぎ報告いたします。
1.確定したタイムスケジュールの概要
ドイツの批准書寄託によって確定したスケジュールは以下の通りです。
(1)UPC協定の発効日
ドイツの批准書寄託から4ヶ月後の月の初日⇒2023年6月1日
(2)サンライズ期間の開始日
UPC協定発効の直前3ヶ月の期間⇒2023年3月1日
詳細については以下のURLをご参照ください
①UPCニュース
https://www.unified-patent-court.org/en/news/germany-ratifies-agreement-unified-patent-court
②EPOニュース
https://www.epo.org/news-events/news/2023/20230217.html
2.今後の見通しについて
今回のドイツの批准書寄託により、UPC協定の規定に基づいてUPCの発効日は上記の通り確定しました。統一特許裁判所の準備委員会は制度開始の準備は整ったとコメントしており、新制度のスタートが目前に迫っております。日本の出願人・代理人にとっても大きな影響を与えるこれらの新制度について理解を深めるとともに、EP出願について単一効を選択するのか(EPOに経過措置の申請をするのか)、EP特許について統一特許裁判所の専属管轄からオプトアウトするのか、など喫緊の検討事項に対処する必要があります。
[担当]深見特許事務所 堀井 豊