国・地域別IP情報

欧州統一特許裁判所(UPC)は、サンライズ期間の開始およびUPC協定の発効が2ヶ月延期されることを発表しました

 弊所ホームページの「国・地域別IP情報(欧州)」の2022年10月21日付配信記事「欧州統一特許裁判所(UPC)はUPC協定が2023年4月1日に発効の予定であることを発表しました」において、UPCが今後の日程のロードマップを公開したことをご報告いたしました。
 2022年12月5日付けでUPCの公式ホームページ上で、上記のロードマップが変更され、予定されていた期日が延期されたことが発表されましたので、取り急ぎ報告いたします。

1.新たなタイムスケジュールの概要
 UPCの発表によりますと、変更点は以下の通りです。
(1)サンライズ期間の開始日
 当初予定日の2023年1月1日⇒2023年3月1日に2ヶ月延期
(2)UPC協定の発効日
 当初予定日の2023年4月1日⇒2023年6月1日に2ヶ月延期

2.延期の理由と今後の見通しについて
 UPCは、UPCの事件管理システム(the Case Management System (CMS))にアクセスし書類に署名するのに必要な強力な認証について、ユーザが準備することを可能にするために追加期間が必要である、と述べております(ユーザはクライアント認証のハード装置および適格電子署名の双方を必要とします)。このような強力な認証はサンライズ期間からすぐに必要となるため、サンライズ期間の開始日と、それに続くUPC協定の発効日を、ともに2ヶ月延期することとしたものです。
 なお、その他の準備作業は予定通り順調に進んでいるため(UPCの手続規則は採択され、判事の指名も完了)、UPCは、これ以上の遅延は生じないものと予測しております。
 詳細については、UPC準備委員会のホームページで公開されていますので以下のURLをご参照ください。
https://www.unified-patent-court.org/en/news/adjustment-timeline-start-sunrise-period-1-march-2023

[担当]深見特許事務所 堀井 豊