ドイツ連邦憲法裁判所、UPC協定批准に係る法案は無効と決定
2020年3月20日付のプレスリリースにて、ドイツ連邦憲法裁判所は、2017年3月にドイツ連邦議会で採択された「統一特許裁判所(UPC)協定批准に係る法案」を無効とする決定を公表しました。
今回の決定は、UPC協定批准に関する法案がドイツ憲法に違反するとして、2017年3月にドイツの知財弁護士により提起された申立に対する決定です。
プレスリリースによると、UPCへの主権授与を伴うUPC協定を承認する法律(承認法)は、ドイツ憲法を実質的に修正するものであるが、連邦議会において、必要とされる議員の3分の2以上の承認を得ていないとされています。
なお、UPC協定は、ドイツ、フランス、英国を含む13か国が同協定を批准することにより発効することになっていましたが、英国は、2020年1月末のEU離脱に続き、2020年2月末において、欧州単一効特許(UP)・UPC制度への参加を追求しない方針を表明しています。
ドイツ連邦憲法裁判所の今回の決定、英国の不参加、さらには、新型コロナウイルスの影響で、UP・UPC制度の実現には大幅な遅延が生じるものと考えられます。
[情報元]ドイツ連邦憲法裁判所HP、JETROデュッセルドルフHP
[担当]深見特許事務所 勝本 一誠