中国専利審査指南の改訂
中国の「専利審査指南」の改訂が発表されました。新しい専利審査指南は、2019年11月1日に施行されました。主な改訂内容は以下の通りです。
① 遅延審査請求制度の導入
遅延審査請求制度が導入され、審査を遅延させることができるようになりました。特許出願については、実体審査請求と同時に遅延審査請求を行う必要があります。意匠出願については、出願と同時に遅延審査請求を行う必要があります。遅延期間は、「1年、2年又は3年」です。遅延期間満了後、当該出願は順番に従って審査を受けます。
② 面接審査要件の緩和
面接審査の要件が緩和されました。改訂前の専利審査指南においては、「面接の実施条件は以下の通りである。審査官が第1回拒絶理由通知書を発行し、かつ出願人が拒絶理由通知書に応答すると同時に又はその後に面接を要請しているか、又は審査官が案件状況の必要に応じて出願人に面接を要請している。」と規定されていました。新しい専利審査指南においては、この文言が削除され、時期的要件が緩和されました。また「審査官は審査を促進するために、出願人に面接を要請することができる。出願人も面接を要請でき、このとき、面接によって有益な目的を達成でき、疑問の釈明、不一致の解消、理解の促進に資するものであれば、審査官は出願人からの面接を受諾するものとする。一方、例えば、書面でのやりとり、電話インタビュー等を通じて、双方の意見が十分に示され、関係事実の認定が明確になった場合、審査官は面接の要請を拒否してもよい。」と規定されました。
③ 技術常識の立証責任の明確化
新しい専利審査指南において、「審査官が審査意見通知書において、課題の解決に寄与する請求項中の構成要件を技術常識として認定する場合、通常、証拠を示してこれを証明しなければならない。」との文言が追加されました。これにより、課題の解決に寄与する構成要件については、審査官が、単に理由を説明するだけではなく、基本的には証拠を示す責任が生じることが明確になりました。
[情報元]北京林達劉知識産権代理事務所
LindaからのIPニュース速報(2019年07号)
[担当]深見特許事務所 小田 晃寛