2018年商標審判案件に係る審決取消訴訟の統計
2018年、商標審判部が下した審決は計26.52万件で、裁判所から受け取った一審応訴通知書は11,510件で、応訴件数が審決案件全体に占める割合は同期比1.2%減の4.34%でした。下記は、直近3年の審決案件数・一審応訴件数及び審決数に対する応訴件数の比率をまとめた表です。
年度 | 審決案件の件数(万件) | 応訴件数(万件) | 応訴件数が占める割合 |
2016年 | 12.52 | 0.53 | 4.27% |
2017年 | 16.89 | 0.93 | 5.5% |
2018年 | 26.52 | 1.15 | 4.3% |
次に、商標審判部が受け取った一審判決書の10,633件を対象に、各種案件の敗訴率をそれぞれ統計したものが下記の表です。このうち、拒絶査定不服審判取消案件の敗訴件数は多いですが、事情変更によるのものが圧倒的に多く、実際の敗訴率は僅か7.5%です。
案件種類 | 判決件数 | 敗訴件数 (事情変更による敗訴) |
敗訴率 (事情変更による敗訴を除く敗訴率) |
拒絶査定不服審判審決取消訴訟 | 5,870 | 1,625(1,186) | 27.7%(7.5%) |
不登録不服審判審決取引訴訟 (異議申立の不服審判を含む) |
303 | 33(5) | 10.9%(9.2%) |
無効審判審決取消訴訟 | 3,274 | 828(14) | 25.3%(24.9%) |
取消不服審判審決取引訴訟 | 1,186 | 354(0) | 29.8%(29.8%) |
〈実務上の指針〉
従来より指摘されている通り、拒絶査定不服審判に対する審決取消訴訟については、商標審判部の敗訴率(つまり、審決の転覆率)が非常に低いといえます。中国において審決取消訴訟を提起されたとしても、拒絶審決の克服は容易ではない状況が続いているといえます。
[情報元]北京林達劉知識産権代理事務所
LindaからのIPニュース第124号(2019年9月)
[担当]深見特許事務所 原 智典