Means Plus Function(MPF)に対応する構造は、コンピュータで実行されるアルゴリズムである
Sony Corp. v. Iancu, Case No. 18-1172 (Fed. Cir. May 22, 2019)
Sonyは、複数のチャンネルを有するオーディオデータを保存することができる情報記録媒体の特許を所有しています。
PTABは、Sonyの特許のクレームにおけるMPFの形式で記載された”reproducing means”の限定は、コントローラ、またはシンセサイザなどの個別のハードウェアであって、コンピュータで実行されるアルゴリズムではないと解釈しました。PTABは、この解釈に基づいて、Sonyの特許が自明であると決定しました。Sonyは、PTABの決定を不服として、CAFCに提訴しました。
CAFCは、本件の明細書には、”reproducing means”をコンピュータで実行することが記載されているが、”reproducing means”を実現するための個別のハードウェアが記載されていないことを理由として、”reproducing means”の限定は、コンピュータによって実行されるアルゴリズムであると判示し、本件をPTABに差し戻しました。
[情報元]McDermott Will & Emery IP Update Vol. 22, No. 6
[担当]深見特許事務所 西川信行