ソフトウェア保護のための審査基準からの助言
(特許による保護)
台湾では、コンピュータソフトウェアに関する発明は特許対象として認められています。現行の特許審査基準には、「コンピュータソフトウェアに関する発明」という章があり、特許審査基準は米国や日本等の審査基準を参考にして作成され、より国際標準に準拠するものとなりました。特許審査基準は、コンピュータソフトウェアに関する発明の明細書等における記載に関して次のような助言を与えています。
(審査基準における助言)
① コンピュータソフトウェアに関する記述は、その発明の属する技術分野における周知又は汎用の技術用語又は専門用語を使用しなければならない。新出用語を使用する場合、当該新出用語については、明細書に明確に定義を説明しなければならない。
② 明細書の実施方式の記載において、発明に関するステップ又は機能がソフトウェアまたはハードウェアでどのように実現されるのか記載すべきである。この点に関して、コンピュータソフトウェアのフローチャートまたは機能ブロック図により、コンピュータソフトウェアが達成しようとする機能を表現することができる。フローチャートの場合、明細書では当該フローチャートの各ステップを記述しなければならない。機能ブロック図で表現する場合、明細書では当該機能ブロック図におけるソフトウェアの各モジュールとハードウェアの各部品との相互関連又はハードウェアの部品間の連結関係を記述しなければならない。
③ 手段(ステップ)を機能言語で記述した請求項について、明細書において手段の名称および機能を重複記述するだけで、又は達成しようとする結果を簡単に記載するだけでは、対応するアルゴリズムを明確に開示することに属さず、実施可能要件を満たさない。実施可能要件を満たさない時、請求項は不明確となり明細書における支持を欠くことになる。
④ 特殊なアルゴリズムを実行する場合、明細書に開示された対応する構造が当該機能を達成できる特殊なアルゴリズムを含むべきで、且つ当該アルゴリズムは明細書に十分開示されていなければならない。アルゴリズムは、例えばフローチャート、文言による記述、数学演算式又はその他充分な構造を提供できる方法のように、理解可能な方法で表現してもよい。ただし、アルゴリズムに対応したプログラムコード又は非常に詳細な細部については列記する必要はない。
[情報元]Union Patent Service Center Taiwan Newsletter, November 30, 2016
[担当]深見特許事務所 杉本 さち子