国・地域別IP情報

新規性喪失の例外適用の主張可能期間の6か月から12か月への延長について

 韓国では2017年9月22日から改正デザイン保護法が施行されました。
当該改正法のうちの1つに、新規性喪失の例外の主張期間の6カ月から1年への延長がありましたが、この改正法が適用される対象は2017年9月22日以降に出願されたデザインからとなります。
 つまり、公知となった日から6カ月が経過したデザインであっても、2016年9月22日以降に公知となったものであれば、2017年9月22日以降であって公知となった日より1年以内に出願すれば、新規性喪失の例外の主張をして出願することが可能になります。
 よって、仮にデザインが公知となった日から6カ月以上過ぎたために新規性喪失の例外が適用されないとして韓国にデザイン出願をすることを断念していたような案件がある場合には、2017年9月22日以降に出願することによって新規性喪失の例外の主張が可能になるものもあり得るので、この点について確認する必要があるといえます。
 ご参考までに、例えば日本意匠出願を基礎出願として優先権を主張して韓国にデザイン出願を行なう場合、基礎出願に新規性喪失の例外の主張が行なわれている場合には、優先権主張とは別途に韓国においても新規性喪失の例外の主張も行なわなければならないところ、このような出願の中には、デザインが公知となった日より6カ月以上経過してしまっていたケースが散見されましたが、今回の改正法によって案件によってはそのような不具合は解消される場合もあると思料されます。

[情報元]Kim & Chang Intellectual Property Updates – September 15, 2017
[担当]深見特許事務所 藤川 順