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米国最高裁は誘発侵害を成立させるためには直接侵害がなければならないと再判断

 全会一致の決定(2014年6月2日Limelight Networks v. Akamai Technologies)で、最高裁は、一当事者が271条(a)または他の法令の下で直接侵害をしない場合、被告は271条(b)の誘発侵害の責めを負わないと再判断しました。言い換えると、最高裁は、誘発侵害を成立させるためには直接侵害が最初になければならないと判断しました。
 これにより、最高裁は、方法特許クレームのいくつかのステップを実行し、他の当事者に残りの実行を促した被告は、たとえ一当事者が直接侵害の責めを負わないとしても誘発侵害の責めを負い得るとのCAFCの判決を覆しました。
 最高裁は、271条(b)の解釈次第では、方法特許ステップの実行を被告が指示も統制もしない第三者と分割することにより、侵害者が責任を回避し得るものの、そのような結果は、誘発の規則を根底から変更する(すなわち、直接侵害をもはや必要としない)ことを正当化するものではないと判断しました。
 最高裁はさらに、以前のMuniauction v. Thomson Corp事件においてCAFCは271条(a)の直接侵害を狭く定義し過ぎる過ちを犯したかも知れないが、そのような以前の過ちは、最高裁が271条(b)を誤って解釈することにより2回目の過ちを犯す理由にはならないことを示唆しました。
 このように、CAFCおよび最高裁はいまや、方法ステップを実行する当事者間に代理関係があるか、一当事者が他の当事者に対して方法ステップを実行する契約がある場合にのみ、自身で特許ステップのすべては行わない被告が直接侵害の責めを負い得るというCAFCのMuniauction決定に基づく判決を再考することになりそうです。
 換言すると、Muniauctionの判決に対する最高裁のコメントに基づき、CAFCおよび/または最高裁は、方法クレームに関する直接侵害の再定義を迫られそうです。

[情報元]Greenblum & Bernstein, P.L.C. CLIENT ADVISORY, June 3, 2014
[担当]深見特許事務所 紫藤則和