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Versata:CAFCがCBM手続のパラメータ及び上訴可能性を説示(抄録)

 2015年7月9日に、CAFCが、ビジネス方法(Covered Business method:CBM)特許レビューの初めての上訴を判断しました。Versata Development Group, Inc v. SAP America, Inc. et al.において、CAFCは、最終的に、製品の価格を決定する特許は、抽象的なアイデアのみをクレームしているので、無効であるというPTAB(Patent Trial and Appeal Board)の決定を支持しました。
[背景]
 2007年に、Versataは、SAPがUS 6,553,350(以下、’350特許)を侵害するとして提訴しました。地裁は、SAPが特許を侵害していると判断し、CAFCもこれを支持しました。このCAFCへの上訴中に、SAPは、’350特許に対して、AIA 18条に基づくCBMレビューを申請しました。PTABは、’350特許は、CBM特許としての資格を有すると判断し、CBM手続において101条を適用して、’350特許が無効であると判示しました。Versataは、PTABの決定に対して、CAFCに上訴しました。
 CAFCは、CBMに関する以下の4つの争点に対処しました。
(1)司法審査の範囲
 CAFCは、’350特許がCBM特許であるかどうか、およびCBM手続において101条が適用されるかを含むPTABの最終決定をレビューすることができると判示しました。CAFCは、究極的に本案の一部であるか、または本案の基礎になるなら、PTABの審査プロセスにおいて決定された争点をレビューすることができるとしました。
(2)CBMの定義
 AIA 18条(d)(1)は、CBM特許を「金融商品・サービスの業務、管理または経営に用いられるデータ処理または他の操作を実行する方法または対応する装置をクレームする」特許であると定義しています。CAFCは、CBM特許は、金融産業のみの製品およびサービスに限定されず、また金融組織によって所有される特許や金融組織の活動に直接影響を与える特許にも限定されないと判示しました。CAFCは、CBM特許の定義の18条(d)についても検討しました、18条(d)は、CBM特許は、技術上の発明の特許を含まないと規定しています。Versataは、すべてのクレームがコンピュータの使用を必要とすることを主張しましたが、CAFCは、創作力のないステップを通じた処理を促進するための汎用のコンピュータの存在によって、発明の基本的特性を変化させるものではないという理由で、’350特許は、技術上の発明の特許ではないと判示しました。
(3)CBM手続におけるクレーム解釈の基準
 「最も広い合理的な解釈」(Broadest Reasonable Interpretation)によるクレーム解釈の基準が用いられました。
(4)CBM手続における101条の適用可能性
 CBM手続における101条が適用可能であることを支持しました。

[情報元]Morrison Foerster, Client Alert, 2015年7月14日
[担当]深見特許事務所 西川信行