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公共交通機関での銀行カードの使用に関する特許適格性の判決背景

 スマートシステムズ(SSI)は、SSIの4つの特許を侵害したとしてシカゴ交通局(CTA)を訴えました。CTAは、SSIのクレームが101条の下で不適格であるとの判決を求める申立を提出しました。

 SSIのクレームは、2つのグループに分けることができます。第1のグループは、銀行カードを走査し、当該走査されたデータを、承認された交通口座のローカルに蓄えられた「ホワイトリスト」に対して比較し、カード所有者が口座名義人としてリストされていれば、口座を処理し代金を請求するためにネットワーク接続を即座に確立することなく入場を許可することにより、公共交通機関のゲートまたはターミナルで銀行カードを直接使うためのシステムおよび方法についてクレームしています。第2のグループは、データを受入れたり蓄えたりできない銀行カードであっても、時間ベースの運賃規則を実現するために、従来の銀行カードの使用に関する特徴をクレームしています。

 地裁は、クレームが「地下鉄またはバスの乗車に対してクレジットカードで支払う」といった抽象的な概念のみをカバーしており、「所定の金融取引に向けられたクレームは、…抽象的アイデア(abstract idea)を含むものとして分類されなければなら」ず、かつ、クレームが汎用のコンピュータおよび技術的構成要素のみを列挙しているため発明性を有する概念(inventive concept)を欠くとの理由でCTAの申立を認めました。

 CAFCは、SSIのクレーム特許が抽象的アイデアに向けられているため101条により不適格であるとした地裁の判決を支持しました。

 議論

 Aliceテストのステップ1において、CAFCは、SSIのクレームを、特定の規則群の結合された順序を用いた工程が既存の技術工程を改善させるというMcROのクレームと区別しました。SSIのクレームが抽象的アイデアに向けられているとの判決において、CAFCは、SSIのクレームは、単に、公共交通における金融取引の形成およびデータの集合、蓄積および認識に向けられており、そのようなものは、技術工程を改善する特定の規則群の結合された順序には向けられていないと理由付けました。

 Aliceテストのステップ2において、CAFCは、SSIのクレームが発明性を有する概念を含んでいないとの判決について、当該クレームをDiehrおよびDDRのケースと区別しました。CAFCは、SSIのクレームの場合と同様に、係争中のクレームが抽象的アイデアを実現するために汎用のコンピュータ構成を用いた場合にDiehrのケースは適用されず、当該クレームがインターネットに特有の課題を解決しようとしていない場合にDDRのケースは適用されないと理由付けました。

 したがって、CAFCは、SSIのクレームが101条の下で特許不適格であると判示しました。

[情報元]Oliff Special Report, November 15, 2017
[担当]深見特許事務所 紫藤 則和