国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第12号

「ワイヤレススカッフプレート」事件
(知財高判令和5年12月21日 令和5年(行ケ)第10016号)

(1)図面の記載に基づく訂正の可否が1つの争点となった事例。
(2)裁判所は、本件特許の図面には、本件訂正の根拠として十分な内容が図示されているとして、訂正は適法であると判断した(特許庁審決の判断を支持)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第11号

「噴射製品および噴射方法」事件
(知財高判令和6年3月26日 令和5年(行ケ)第10057号)

(1)審決取消訴訟において、実施例補充型の国内優先権主張出願(後の出願)における優先権主張の効果の認否が争点となった事例。
(2)裁判所は、後の出願の請求項に係る発明は先の出願の明細書等の記載との関係において「実施可能」であるとして優先権主張の効果を認めた(特許庁審決の判断を支持)。
(3)本レポートは、優先権主張の効果認否の判断基礎となる上記「実施可能」に焦点を当てる。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第10号

「フードコンテナ(発明者AIダバス)」事件
(東京地裁判令和6年5月16日 令和5年(行ウ)第5001号)

(1)特許法にいう「発明」は、自然人によるものに限られるか否かが争点とされた事例。
(2)裁判所は、特許法に規定する「発明者」は「自然人」に限られるので原処分庁による本件出願の却下処分は適法であるとして、原告の請求を棄却した。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第9号

「セレコキシブ組成物」事件
(知財高判令和6年3月18日 令和4年(行ケ)第10127号)

(1)訂正請求を経てなされた無効不成立の審決の取消訴訟において、訂正後の発明の明確性要件が争点となった事例。
(2)裁判所は、訂正により特許請求の範囲に加えられた発明特定事項(プロダクト・バイ・プロセスクレーム)が明確性要件に適合しないとして審決を取り消した(特許庁審決の判断を不支持)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第8号

「2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン、2-クロロ-1,1,1-トリフルオロプロペン、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパンまたは2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む組成物」事件
(知財高判令和5年10月5日 令和4年(行ケ)第10125号)

(1)審決取消訴訟において、「除くクレーム」とする訂正の適否が争点となった事例。
(2)本件訂正における「除くクレーム」が新規事項の追加に該当しないと判断した(特許庁審決の判断を否定)。
(3)「除くクレーム」が新規事項の追加になるか否かを判断する際の参考になる事例。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第7号

「経皮的分析物センサを適用するためのアプリケータ」事件
(知財高判令和6年1月22日 令和5年(行ケ)第10024号)
(1)審決取消訴訟において、新規性判断が争点となった事例。
(2)特許庁の審決において引用文献に開示されているとされた本願の発明特定事項「作動部材」について、引用発明の認定に誤りがあると判断し、裁判所は本件発明の新規性を肯定した(特許庁審決を取消)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第4号

「車両ドアのベルトラインモール」事件
(知財高判令和5年7月25日 令和4年(行ケ)第10111号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性判断が争点となった事例。
(2)特許庁の審決においては容易に想到し得ないとされた相違点に係る構成について、当業者が適宜なし得る設計的事項であると判断し、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第2号

「プログラム」事件
(知財高判令和5年8月10日 令和4年(行ケ)第10118号)
(1)審決取消訴訟において、技術分野の関連性が争点となった事例。
(2)裁判所は、甲1発明及び甲4技術は、いずれも無線通信を利用して電子機器の制御を行う技術であり、その属する技術分野を共通にすると判断した(特許庁審決を維持)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第1号

「接触操作型入力装置およびその電子部品」事件
(知財高判令和5年2月16日 令和4年(行ケ)第10012号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性が争点となった事例。
(2)裁判所は、引用発明に周知技術1を適用することが容易であるとはいえないとして本件発明の進歩性を肯定した(特許庁審決の判断を支持)。

国内裁判例レポート 2023年 第35号

「立坑構築機」事件
(知財高判令和2年3月24日 令和元年(行ケ)第10102号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、引用発明1に引用発明2を適用することについて阻害要因があるから、本件発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。