国内裁判例レポート 2023年 第32号
「非水系塗料用の粉末状揺変性付与剤」事件
(知財高判令和5年8月10日 令和4年(行ケ)第10115号)
(1)特許取消決定取消訴訟において、訂正の適否が争点となった事例。
(2)本件訂正は、誤記の訂正を目的とするものではないと判断した(特許庁取消決定の判断を肯定)。
(3)誤記の訂正に該当するか否かを判断する際の参考事例。
国内裁判例レポート 2023年 第24号
「銅銀合金を用いた導電性部材、コンタクトピン及び装置」事件
(知財高判令和4年11月16日 令和3年(行ケ)第10164号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、取消事由2(相違点1の判断の誤り)について、引用発明においては、ニッケルの添加が課題解決のための必須の構成とされているというべきであり、引用発明の「合金材料」について、ニッケルの添加を省略して銅銀二元合金とすることには、阻害要因があると判断した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第16号
「ソルダペースト組成物及びリフローはんだ付方法」事件
(知財高判平成30年2月20日 平成29年(行ケ)第10063号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)特許庁では、顕著な効果が認められて進歩性ありと判断されたが、裁判所では顕著な効果が認められないため進歩性なしと判断された(特許庁審決を取消)。
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国内裁判例レポート 2023年 第11号
「積層体」事件
(知財高判令和5年3月9日 令和4年(行ケ)第10030号)
(1)特許取消決定取消訴訟において、「除くクレーム」が争点となった事例。
(2)本件訂正における「除くクレーム」が特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加には当たらないと判断した(特許庁取消決定の判断を否定)。
(3)「除くクレーム」が新規事項の追加になるか否かを判断する際の参考事例。
国内裁判例レポート 2023年 第1号
「はんだ合金」事件
(知財高判平成30年2月14日 平成29年(行ケ)第10121号 )
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)取消事由1について、引用発明1及び4における必須成分であるニッケルを任意成分とし、相違点1及び3に係る構成を備えることは、当業者が容易に想到し得るものではないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
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