国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第9号

「セレコキシブ組成物」事件
(知財高判令和6年3月18日 令和4年(行ケ)第10127号)

(1)訂正請求を経てなされた無効不成立の審決の取消訴訟において、訂正後の発明の明確性要件が争点となった事例。
(2)裁判所は、訂正により特許請求の範囲に加えられた発明特定事項(プロダクト・バイ・プロセスクレーム)が明確性要件に適合しないとして審決を取り消した(特許庁審決の判断を不支持)。

国内裁判例レポート 2023年 第5号

「耕耘爪」事件
(知財高判令和4年12月22日 令和4年(行ケ)第10027号 )
(1)審決取消訴訟において、他の争点とともに、明確性要件が問題とされた事例。
(2)請求項中の「『略』一定の距離」、「『略』同じ位置」との文言について、本件発明の技術分野(その性質上要求される精度の観点)及び明細書等の記載を参酌して、発明は明確であると判断した(特許庁審決の判断を支持)。
(3)「略」のほか、「約」、「およそ」、「実質的に」、「本質的に」等の文言が請求項中に含まれる特許の明確性要件を評価するにあたって1つの参考になる事例。

国内裁判例レポート 2023年 第4号

「多角形断面線材用ダイス」事件
(知財高判令和4年11月16日 令和4年(行ケ)第10019号 )
(1)審決取消訴訟において、明確性要件が問題とされた事例。
(2)請求項中の「『略』多角形」との文言について、本件明細書等の記載および技術常識を考慮しても、「基礎となる多角形断面」と区別ができないとして、発明が不明確であると判断した(特許庁審決の判断を否定)。
(3)「略」のほか、「約」、「およそ」、「実質的に」、「本質的に」等の文言が請求項中に含まれる特許の明確性要件を評価するにあたって1つの参考になる事例。