国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第5号

「KAZE」事件
(知財高判令和5年7月12日 令和5年(行ケ)第10005号)
(1)審決取消訴訟において、デザイン化された文字を含む「KAZE」を構成中に含む出願商標と「KAZE」の欧文字を黒色ゴシック体で表した引用商標との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、出願商標はデザイン化されていても欧文字4文字の「KAZE」と判読可能と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)構成文字の一部がデザイン化された商標が、判読可能な文字として審査されるか、もはや判読不可能な図形要素として審査されるか、その境界線を考えさせる参考事例。

国内裁判例レポート 2023年 第36号

「EMPIRE STEAK HOUSE」事件
(知財高判令和5年1月17日 令和4年(行ケ)第10087号)
(1)審決取消訴訟において、図形と文字からなる出願商標「EMPIRE STEAK HOUSE」と引用商標「EMPIRE」との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、本願商標中の「EMPIRE」部分を要部と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)「●●+識別力の弱い語」の構成からなる結合商標について、構成文字の識別力の強弱差及び一般取引実情を考慮しつつ、要部抽出が行われるべきかを判断した参考事例。