国内裁判例・審決例レポート 2024年 第14号
「バリア性積層体、該バリア性積層体を備えるヒートシール性積層体および該ヒートシール性積層体を備える包装容器」事件
(知財高判令和6年4月22日 令和5年(行ケ)第10091号)
(1)取消決定に対する不服申立てにおいて、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)取消事由1(甲3を主引例とする進歩性の判断の誤り)について、複数の相違点を一体的に検討すべきであると認定し、主引例と副引例との技術分野ないし用途の相違を考慮した上で、主引例に副引例を適用する動機付けがないと判断した(異議申立てにおける特許庁の取消決定を取消し)。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第2号
「プログラム」事件
(知財高判令和5年8月10日 令和4年(行ケ)第10118号)
(1)審決取消訴訟において、技術分野の関連性が争点となった事例。
(2)裁判所は、甲1発明及び甲4技術は、いずれも無線通信を利用して電子機器の制御を行う技術であり、その属する技術分野を共通にすると判断した(特許庁審決を維持)。
国内裁判例レポート 2023年 第18号
「空調服の空気排出口調整機構」事件
(知財高判令和5年2月7日 令和4年(行ケ)第10037号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)技術分野の関連性および課題の共通性を考慮して、主引用発明(公然実施発明)に接した当業者は、副引用発明を採用するように動機付けられたものと認めるのが相当として、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第17号
「アプリケーション生成支援システム」事件
(知財高判令和元年9月19日 平成31年(行ケ)第10005号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)引用発明に周知技術を適用することの動機付けがないから、相違点1の構成について、本件補正発明の構成とすることは容易に想到することはできないと判断された(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第12号
「ガス系消火設備」事件
(知財高判令和5年3月27日 令和4年(行ケ)第10009号)
(1)特許取消決定取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)特許庁での特許取消決定における、甲1に甲2を組み合わせた上でさらに修正することは、当業者が容易に想到し得るものではないと判断した(特許庁の特許取消決定の判断が否定された)。
国内裁判例レポート 2023年 第10号
「モニタリング装置」事件
(知財高判平成30年4月16日 平成29年(行ケ)第10139号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)引用発明における条件判断の順序を入れ替えることが、単なる設計変更であるということはできないから、相違点に係る本願補正発明の構成は、容易に想到することができるものではないと判断された(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第6号
「個人情報に基づいてユーザに注意を促す、情報処理装置」事件
(知財高判令和4年11月29日 令和3(行ケ)10027号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性が争点となった事例。
(2)相違点の容易想到性を否定する特許庁審決の判断が支持された。
(3)サービス提供のための処理をサーバを含むシステム全体で行うか単独のユーザ端末で行うかの相違に基づいて、設計的事項ではないとして進歩性を主張する際の参考事例。
国内裁判例レポート 2023年 第2号
「レーザ加工装置」事件
(知財高判令和4年11月29日 令和3年(行ケ)第10163号 )
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)取消事由2(甲15を主引用例とする進歩性の判断の誤り)について、溝が形成された基板を開示する先行技術が存在する場合に、溝が形成されていない基板を採用する動機付けがないから、相違点に係る構成とすることを容易に想到できないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第1号
「はんだ合金」事件
(知財高判平成30年2月14日 平成29年(行ケ)第10121号 )
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)取消事由1について、引用発明1及び4における必須成分であるニッケルを任意成分とし、相違点1及び3に係る構成を備えることは、当業者が容易に想到し得るものではないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
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