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ロシア特許制度(基本事項)についての概略説明

1. ロシア特許制度の特徴

ロシアで特許権を取得しようとする場合、ロシア特許商標庁(Rospatentと呼ばれる)への出願、およびユーラシア特許条約に基づく広域出願、の2通りの方法があります。 以下では、そのうちRospatentへ出願するロシア国内特許制度について説明します。

  1. (1) ロシアでは、人間の治療方法が保護対象となります。一方、コンピュータプログラムは保護対象ではありません。
  2. (2) ロシアでは、すべての言語による出願が可能です。そのため、パリ条約に基づく優先権主張を伴ってロシアへ出願する場合、日本語の明細書で出願することが可能です。この場合、出願日から2月以内にロシア語の翻訳文を提出する必要があります。

2. 特許要件

発明が特許として認められるためには、以下の要件が必要です。

  1. (1) 方式的要件:特許出願書類が規則で定める所定の書式に合っていることが必要です。
  2. (2) 特許の保護対象であること:特許権の客体は、科学及び技術的分野における知的活動の成果とされています。1) ヒトのクローン化方法、2) ヒトの胚細胞株の遺伝的完全性の修正方法、3) 工業目的及び商業目的によるヒトの胚の使用、4) 公共の利益、人間性及び倫理性の原則に反するその他の企ては、特許権の客体ではないとされています。 特定目的のための製品またはプロセス(方法)を含む、製品(装置、物質、微生物の菌株、植物又は動物の細胞培養を含む)又は方法(有形的手段を用いて有形物に影響を与える手順)に関連する技術的解決は、発明として保護されます。一方、1) 発見、2) 科学的理論及び数学的方法、3) 専ら製品の外観に関し、かつ審美的要求を満たすことを目的とした企て、4) ゲーム、及び知的活動又は事業活動のための規則及び手段、5) コンピュータプログラム、6) 情報の提示に関するアイデアは、特許出願がこれら自体を対象とする場合は発明とはされません。さらに、1) 植物品種、動物品種、及びそれらを得る生物学的方法(但し、微生物学的方法及び係る方法の使用により得た製品を除く)、2) 集積回路の配置設計(回路配置)には、発明としての法的保護が付与されないとされています。
  3. (3) 新規性:発明が先行技術により予測されないことが必要です。
  4. (4) 進歩性:技術水準を考慮して、発明が当業者に自明でないことが必要です。
  5. (5) 産業上利用可能性:工業、農業、公衆衛生、経済のその他の部門、又は社会的分野で使用され得ることが必要です。
  6. (6) 先願:同一発明については他人より先に出願することが必要です。

3. 出願公開制度

特許出願された発明は、出願日から1年6月が経過すると公開されます。1年6月経過前に出願人からの請求によって出願公開がされることがあります。

4. 審査請求制度

出願日から3年以内に審査請求をしなければなりません。期間内に審査請求しなければ出願取下げとみなされます。

5. 拒絶理由通知

審査の結果、上記2の要件を満たさないと判断された場合、拒絶理由通知が送られます。これに対して、意見書および補正書によって対応が可能です。

6. 審判請求

拒絶査定に対して、その査定の受領の日から6月以内に特許紛争協議会に申立書を提出することによって、不服を申立てることができます。

7. 登録

審査において、上記2の各要件を満たすと判断された場合、特許査定がされます。これに応じて登録料および手数料を支払うことで、特許登録がされます。特許の内容は、公報に掲載されます。

8. 特許権の存続期間および維持手数料

特許権の存続期間は出願日から20年です。薬物、殺虫剤又は農薬に関連した発明に係る特許権は最大5年延長可能です。 特許登録後は、維持手数料を納付することにより特許権を維持できます。他方、維持手数料を納付しなければ、特許権が消滅します。

9. 無効確認

上記2の特許になるための要件を満たしていない特許出願が特許された場合には、他人から特許紛争協議会に対する申立が提起される場合があります。

上記手続は、ロシア特許制度の基本事項のみです。
[更新日 2015年3月3日]

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