地域別IP情報

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欧州特許制度(基本事項)についての概略説明

1. 欧州特許条約(EPC)

特許権の効力は、特許を取得した国の領域においてのみ有効です。したがって、外国においても権利を取得する場合、権利を取得したい国毎に特許権を取得しなければなりません。

しかし、欧州諸国は、欧州特許条約(EPC)を作り、欧州特許庁(EPO)を新設し、欧州特許出願として出願し、審査を受け、特許権の付与がされる制度を確立しました。権利を取得したい国(EPC締約国)を指定することにより、その国において特許権の効力が有効となります。たとえば、イギリス、ドイツおよびフランスの3ヶ国で権利を取得したいときは、欧州特許庁にこれらの3ヶ国を指定して1つの欧州特許出願をし、審査を受け、特許が付与されると、特許の効力はこれらの3ヶ国において有効となります。条約締約国すべてを指定すればすべての国において特許の効力が有効となります。

2015年3月現在、EPCの締約国は38ヶ国となっています。

2. 特許要件

発明が特許として認められるためには、以下の要件が必要です。

  1. (1) 方式的要件:特許出願書類が規則で定める所定の書式に合っていることが必要です。
  2. (2) 特許の保護対象であること:特に発明の定義はなされておりませんが、i) 発見、科学理論、数学的方法、ii) 審美的創造物、iii) 精神活動を行なうため、ゲームをプレイするため、ビジネスを行なうための体系、ルール、方法、ならびにコンピュータプログラム、iv) 情報の提示、は発明でないとされております。
  3. (3) 新規性:発明が特許出願時点において世界中で誰にも知られてなく、新しいことが必要です。
  4. (4) 進歩性:発明が既に知られている技術から容易に考えられないことが必要です。
  5. (5) 不特許事由に該当しないこと:公の秩序、善良な風俗に反する恐れがあるものでないことが必要です。
  6. (6) 先願:同一発明については他人より先に出願することが必要です。

3. 出願公開制度

特許出願された発明は、優先日から1年6月が経過すると公開されます。出願人からの請求により、1年6月経過前に出願公開がされることもあります。

4. 審査請求制度

特許出願は、審査請求手続をしないと審査されません。審査請求はサーチレポートの公開の事実が欧州特許公報に掲載された日から6月以内にしなければなりません。期間内に審査請求しなければ出願取下げとみなされます。

5. 拒絶理由通知(Communication)

審査の結果、上記2の要件を満たさない場合に、拒絶理由通知が送られてきます。これに対しては、意見書や補正書により対応が可能です。

6. 審判請求

意見書や補正書の提出にも拘らず、拒絶査定(審査の最終処分)がなされた場合に、審判部に不服審判を請求できます。

7. 特許査定・特許公告

審査において、上記2の各要件を満たした場合に、特許査定されます。これに応じて特許発行および印刷料金を支払うと、特許公告されます。許可された出願の明細書、クレームおよび図面が公表されます。特許公告により欧州特許付与の日から、各指定国で、その国の国内特許権と同等の権利が生じます。

8. 異議申立

上記2の特許になるための要件を満たしていない特許出願について、特許公告された場合には、他人から異議申立が提起される場合があります。

9. 各国段階への移行

各指定国の国内法に適合するように、欧州特許の許可テキストの翻訳文をその指定国の言語で提出する必要があります。これを「指定国への移行」と呼びます。翻訳文の提出期間は、欧州特許付与日から少なくとも3月与えられます。この各国段階への移行手続をしなければ、欧州特許はその指定国で初めからなかったものとみなされます。

10. 欧州特許権の存続期間および年金

特許権の存続期間は出願日から20年です。審査中(特許になる前)であっても出願日から3年目より年金納付が必要です。各指定国に移行後は各国ごとに年金を納付することにより特許を維持できます。年金を納付しないと、納付しない指定国で特許が消滅します。

上記手続は、欧州特許制度の基本事項のみです。
[更新日 2015年3月3日]

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